様々な状況下で落ちているお金に、見つけた人が拾おうと触れれば、直ちに自動で強力なストロボ光とシャッター音を浴びせられてしまう。つまり、拾った人は、あたかも現場の「写真を撮られてしまった」という印象を受ける。人間の内面に潜むちょっとしたずるさやせこさを丸裸にすることを目的とした作品。一見するとシンプルだが、その実、体験者に強い印象を残す作品。テレビの番組の企画のようだと言われたり、賛否両論がはっきりとわかれることも多いが、万人に興味のあるお金をモチーフに使ったことで、様々な年齢層のアート関係者に限らない普通の人を始め、子供の反応はすこぶる良い。増山にとっては、テレビ番組等の企画とアートとのボーダーにある作品だからこそ、何がアートと呼べるのか自分に問い直すために重要なプロジェクト。今後も世界の各都市や場所で継続して実施していく予定。
硬貨はごく自然な落し物に見えるように、路上あるいは美術館・ギャラリーの床、テーブルの上等、様々な環境にさりげなく設置する。セッティング方法は場合によって変えるが、共通して、一見すると作品には見えないように徹底してつくりこみ、硬貨がさりげなく、ただ落ちているという状況を演出する。コインのまわりにつくられた状況全てがフェイクであるため、ストロボ光にはカメラ用よりも強力な舞台照明用ストロボ、シャッター音にはアンプで増幅されスピーカーより発せられる巨大な音が使用された。
仕組みは硬貨自体がストロボやシャッター音等を発する装置のスイッチになっている。コインの裏に繋がれたワイヤーが自動巻き取り式になっているため、拾った人が驚いてコインを放せば元の位置に自動的に戻るようになっている。作品タイトルは実施国それぞれの仕掛けをつけた硬貨の名称となっている。屋外設置時のみ監視用ビデオカメラで拾っていく人々の反応を記録した。