客が患者となりアーティストがドクターとして自分の作品のスタンスで診察を行う、クリニックという風変わりなグループ展に参加。
 増山士郎を受け付けで選んだ客は、診察を受ける前に椅子とカレンダーと造花と鏡だけがある小さなブースで一人、数分間待たされることになる。その時、既に診察は始まっていて、実はハーフミラーである目の前の鏡を通して、客の様子がビデオカメラで撮影されているのでのである。数分間という短いようで長い時間、狭い個室で待たされると、自然と普段の癖や特徴等が出てきてしまうものである。
 数分後、客に「どうぞお入り下さい」と言い、ブースを暗転させることによって、客は始めて目の前の鏡がハーフミラーであり、自分の様子が記録されていたことに気付くのである。診察室に入れば、大写しにされた自分自身の姿を目の当たりにすることとなる。映像を見終わった客に、すかさず「診察は終わりました。受け付けで、お薬を受け取って下さい。」
 カルテにはビデオで撮影したそれぞれの患者の映像をプリントして書き込みを加え、薬はそれぞれの患者の顔の映像をプリントしたプリクラ状のシールを作成。