増山が学生時代、実作業のない保守的な日本の建築大学の教育へのアンチテーゼをこめ実施したプロジェクト。それまで学んだ建築的アプローチでアートを具現化した増山の記念すべき処女作。
日本の恋人たちが集う川のほとりではカップル同士お互いのプライバシーが確保されるような距離をとってほぼ等間隔に座る現象がよく見られる。増山はこの奇妙な現象に着目。カップル用の個室型ベンチを作り多摩川河川敷に等間隔に設置した。それぞれの個室は自然と複数のカップルによって連日使用されたのである。
増山の仕掛けた罠にはまったカップルに愛用された証拠として、一週間後には個室のひとつより使用済みコンドームが発見された。
ベンチはちょうど大人二人が座るのに調度よい広さとし、カップル用と認識しやすくするため背面の壁を男女を抽象化したトイレのようなピクトグラム形に切り抜いた。
等間隔に座るカップルの現象では日本で最も有名な京都の鴨川にて、再びプロジェクトを実施することを計画しているが、予算等の関係で未だ実施には至っていない。
東京の現代美術製作所で展示公開することとなったその鴨川プロジェクト計画案では、多摩川河川敷で取った利用者のアンケートからベンチの座り心地を改善し様々な性的行為の促進化も図るべくベッドタイプとした。また、設置の容易さも考慮に入れ、重ねてスタッキングして運べるデザインへの改良を図ったのである。